確定申告の期間は、毎年2月中旬から3月中旬まで。副業をしている人や自営業の方は、毎年この時期はレシートや帳簿をチェックしたり、忙しい日々を送っていると思います。
さて、そもそもなぜ確定申告でレシートなど領収書をチェックするのでしょう。それは、仕事に関係する支払いであれば経費として計算できるから。
経費があるぶん所得は減るので、そのぶん税金が安くなって節税できるんです。
主婦ももこ
OLあんな
副業ガイドみき
目次
副業での経費…認められるのはどんなもの?
会社員やパート、アルバイトなど本業で給与所得をもらっている場合、副業の所得は3つに分けられます。事業所得と不動産所得、そして雑所得です。
主婦やOLに人気のクラウドソーシングでの仕事などは雑所得に入ります。以上の3つの所得で、必要経費の計算が認められています。
仕事との関連性が説明できるなら経費にできる
収入と所得の違いを理解しよう
まず、一番最初に理解しておくべきことは、「収入」と「所得」の違いです。
- 収入:売り上げ
- 所得:収入(売り上げ)から経費を差し引いたもの
例えば、最近人気のハンドメイド作品のネット販売の場合。売り上げには、商品を作るときにかかった材料費も加わっています。その材料費を経費として差し引いたものが、所得となるのです。
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経費とは?
国税庁では、経費について以下のように定義しています。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
OLあんな
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(1)の「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額をハンドメイドの副業」を例に考えると、「直接要した費用の額」は材料費などの額ですね。
そのほか、経費として計算できるものはたくさんあります。ハンドメイド作品販売なら、ネットを介して販売する場合、運営会社に支払う手数料や報酬振込時にかかる手数料も経費として計算できます。
10万円以下のパソコン(10万円以上は減価償却が必要)や、副業に関係する書籍の購入代金、仕事で使う文房具類の代金などは、代表的な経費の例です。
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もし説明を求められたときに、仕事の関係性をしっかり説明できるものなら、経費として計算して構いません。
経費は2種類に分けられる
経費について考えるときは、以下のように2つに分けて考えましょう。
- 100パーセント仕事の経費として計算できるものか、100パーセント経費として計算できないものか
- 100パーセント仕事で使用していないが、何割かを仕事で使用しているもの
①は、例えば材料費は100パーセント仕事で使用するものなので、経費として計算できますよね。
100パーセント経費として計算できないものというのは、生命保険料や医療費、プライベートの交際費など、仕事に全く関係ない費用のことです。
②は、計算が必要です。例えば、家賃。
副業を自宅でする場合、自宅のワンスペースを仕事場として使用しますよね。その場合、そのスペース分の賃料を経費として計算できます。
水道料金や光熱費も、仕事で使った時間分を経費として計算できるのです。これを「家事案分」と呼び、計算は以下の計算式で導きだします。
- 仕事に使う分の料金=支払い金額×仕事で使っている割合(事業割合)
事業割合は、家賃の場合は面積で、水道料金や電気代は1週間の業務時間の割合、通信費は年間の支払い金額に日割りで計算します。
電気料金が月1万円 1週間のうち25%が業務時間
- 1万円×0.25=2,500円 月2,500円を仕事で使った電気代として経費にできる
通信料金が年間7万5千円 1週間のうち5日を仕事でネットを使う
- 7万5千円×(5÷7)=5万4千円が年間の仕事で使うネット通信費として経費にできる
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副業が「アルバイト」の場合、経費計上はNG
副業の所得がアルバイトやパートの「給与所得」の場合は、経費計上はできません。そのかわりに給与所得控除があります。
経費計上で節税につなげよう!
経費を計算して確定申告をすることのメリットは、税金が安くなることです。税金は、所得が多いぶん増えますから、収入から差し引く経費が多いほど、所得が少なく計算されて税金が安くなります。
もちろん、節税目的に経費として認められないお金を計上することはいけないこと。経費管理は領主書を保管しておいたり、家事案分の計算メモを残しておくなど、しっかり管理しておきましょう。
所得額などの課税額が減ることで大きな節税に
先述しましたが、所得とは、収入から経費を差し引いた金額のこと。経費をしっかり計上することで、所得が少なくなるぶん、課税額が減ります。
例えば、年間収入が120万円・経費が20万円の場合、確定申告初心者で、経費の計算をしないで収入をそのまま所得として報告してしまえば、課税対象額は120万円に。しかし経費の計上をすれば、収入ー経費で100万円が所得、つまり課税対象額になります。
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ふるさと納税や保険料控除も上手に使いこなす
生命保険や個人年金に加入している方は、保険料がそのまま所得から差し引かれます。これを保険料控除と言います。
なぜ保険料控除があるかというと、国の制度に頼らず、自分で医療費や将来の年金の負担に備えていることが認められるからです。
保険料控除があれば、所得がさらに少なく計算されますから、課税対象額が減って税金が安くなるのです。
また、最近はふるさと納税が導入され、実質負担金2,000円で地域の特産品などを受け取りながら、支払った金額が控除されます。
さらに、金額の一部は還付される上に、住民税が控除によって安くなるので大変お得なのです。ふるさと納税に関しては、今後別の記事で詳しく解説します。
まとめ
確定申告の際に経費をしっかり計上することは、大きな節税ポイントになります。
経費は色々なものがありますが、いざという時に仕事との関係性をしっかり説明できるもののみを計算するようにしましょう。